田んぼの守り神

かかし…

こうべを垂れる稲穂かな、時折吹く風でさざ波のように揺れる。その中で、微動だにせず立ち続けるかかし、厳しく照りつづける残暑の日差しの下、収穫の時期が近づいた稲穂を見守っている。

かかしは、古くから田畑を荒らす鳥獣を脅すために使われてきた。
だが、広い耕作地をカバー出来ない事もあり、時代とともに新しい防除方法が登場した。目玉模様が描かれた風船、太陽光を反射する銀のテープ…。さらに近年は、鳥よりもシカやイノシシによる被害が増え、電気柵で田を囲う農家も多い。
かかしの出番は減っているが、「実績」のある防除手段として、今でも田園風景の中に残っている。
金色に変わり始めた田んぼにぽつり…
動きもせず、音も出さず、ただひたすら立ち続ける。
その姿は、まるで守り神のように見える。(大地の譜)より…

たしかに、我輩の子どもの頃は田畑にかかしがたくさんありました。

各農家の個性があるかかしが、田んぼの中に…今考えますと、本当に田んぼの守り神のようでしたね。

夜暗い中にぽつんと…その姿に田んぼの中に人がと、怖がった事もありました。
懐かしい、とてものどかな風景でした…

もう、そんな風景も少なくなりました。

今はそんな風景にゆっくり時が流れ、心地よい風に吹かれ、昼寝をする事もなく…ただひたすら…
心は寂しいさを感じて…
あ～ぁ 夏も終わり…

秋の風がそこまで…

栗のいがも茶色い色に…